概要
アドベンチャーゲームと感慨
論理的な展開を必要とし、一方でアクション性を必要としないことから、推理ものや物語を読ませるタイプのもの(ミステリ、ホラー、SFなど)が多い傾向がある。また、近年の日本の、アダルトゲーム、ギャルゲー、女性向けゲームではアドベンチャーがもっとも普及しているゲーム形式であり、恋愛ADVなどと呼ばれる。ただし一部には、コンピュータ制御ならではのインタラクティブ性として、アクション性を取り入れたものも見受けられる。2000年代後半以降は、『○○○ADV』という打ち出し方で、ADVの派生ジャンルを名乗るゲームが多く登場した。
米国でアップルコンピュータやコモドール等の家庭向けコンピュータ、いわゆるパソコンが発売されると、上記『アドベンチャー』『dungeon』と同様のゲームが遊ばれるようになった。『アドベンチャー』には1980~81年にマイクロソフトが出したものがある。『dungeon』の名で開発されたゲームのひとつが、『ゾーク』とタイトルを改め商品化され、Apple II上で広くプレイされた。アドベンチャーゲーム市場が認知されると、企業が商品としてテキストアドベンチャーを開発するようになった。当時の主要メーカーには、Infocomが挙げられる。Infocom社のアドベンチャーゲームのパッケージには、ゲーム中に出てくるアイテムの実物(レシートの切れ端、マッチ、名刺、雑誌など様々な小道具)が同封されており、文字だけのゲーム世界に彩りを添える工夫がなされていた。
グラフィック表示つきのアドベンチャーは、日本国内でも数多くの作品が発表された。この時期の代表的作品には、マイクロキャビンの『ミステリーハウス』、T&E SOFT『スターアーサー伝説』三部作、ハドソンの『デゼニランド』『サラダの国のトマト姫』、エニックス『ポートピア連続殺人事件』などが挙げられる。これら国産アドベンチャーゲームも、米国のテキストアドベンチャーゲーム同様、基本的にキーボードから単語をコマンドとして直接入力する方式であった。ストーリーの大半は、一般的な単語や事前にヒントのある単語で進めることが出来たが、ラスト近くなど特定の場面では、事前のヒントが全くないまま、思いも寄らない単語の入力が必要な場合もあった。これはゲームの難度を極度に高める結果となり、プレーヤーは唯一の回答であるコマンドを探して頭を悩ませ、極端な場合には辞書を片手に日常的な英単語を全て打ち込んでみるといった攻略法すら行われた。メーカー側から切手などと交換に「ヒント集」を送付するなど一定の救済策はあったものの、当時のアドベンチャーゲームは「1本のソフトを終えるのに、1年くらいかかる」ものであり、「単なることば探し」と見なされる傾向も強かった。コンピュータ自体の普及率の低さもあり、当時のアドベンチャーゲームは、概して高度にマニアックなゲームジャンルであった。
現在の主流は、サウンドノベルやビジュアルノベルなどとも呼ばれるものである。これらの多くは、かつてのように謎解きや言葉探しを主眼としたものではなく、物語の表現形式の一つとして作成されている。そのような作品では、基本的にプレーヤーは画面に表示されるメッセージを小説のように読むことを期待されており、コマンド選択はそのままシナリオ分岐と直結している。さらには『ひぐらしのなく頃に』のようにコマンド選択そのものを廃し、ゲーム性をプレイヤーによる事件の推理とネット上での推理に関する情報交換に求めた作品も現れている。こうした現状に対し、往年のプレーヤーは否定的な考えを持つ傾向が強い。だが、こうした作品の人気は高く、先述の『ひぐらしのなく頃に』や『かまいたちの夜』等はシリーズ化され、漫画やアニメ、テレビドラマなどへの展開も活発に行われている。ビジュアルノベルに属するアダルトゲームは『Fate/stay night』や『ToHeart2』等の10万本を越えるヒット(PC-NEWSランキング調べ)によって相変わらず隆盛である。コンシューマ機移植による非アダルト化やアニメその他への展開も同様に進んでいる。
アドベンチャーゲームとWEB
アドベンチャーゲームといえば、やはり初めはパソコン用のソフトが頭に浮かぶ事だろう。FMシリーズやPC98シリーズのソフトで人気を博したデゼニランドやポートピアなど、名作も数多く作られている。その時のゲーム性やストーリー構成は、現在のそれと同じゲームを作るクリアいたーに脈々と受け継がれていると言っても過言ではない。また今現在では、家庭用ゲームに限らずWEBサイトやブログという発表の場ができたことにより、より多くの才能あるクリエイターが自身の作品を発表できるようになってきている。